エゾボラモドキ

Scientific Name / Neptunea intersculpta (Sowerby Ⅲ,1899)

エゾボラモドキの形態写真

16mm SL 前後になる。貝殻は均一に茶褐色で堅牢。2、3本の太い螺肋があり、螺肋の間には太さの異なる間肋がある。成長脈は螺肋をまたがり希に立つ。内壁は雄では黄色がかった橙色、雌では黄土色。
エゾボラモドキの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
16mm SL 前後になる。貝殻は均一に茶褐色で堅牢。2、3本の太い螺肋があり、螺肋の間には太さの異なる間肋がある。成長脈は螺肋をまたがり希に立つ。内壁は雄では黄色がかった橙色、雌では黄土色。16mm SL 前後になる。貝殻は均一に茶褐色で堅牢。2、3本の太い螺肋があり、螺肋の間には太さの異なる間肋がある。成長脈は螺肋をまたがり希に立つ。内壁は雄では黄色がかった橙色、雌では黄土色。[宮城県気仙沼産]16mm SL 前後になる。貝殻は均一に茶褐色で堅牢。2、3本の太い螺肋があり、螺肋の間には太さの異なる間肋がある。成長脈は螺肋をまたがり希に立つ。内壁は雄では黄色がかった橙色、雌では黄土色。[宮城県気仙沼産]16mm SL 前後になる。貝殻は均一に茶褐色で堅牢。2、3本の太い螺肋があり、螺肋の間には太さの異なる間肋がある。成長脈は螺肋をまたがり希に立つ。内壁は雄では黄色がかった橙色、雌では黄土色。[根室産 10cm SL]16mm SL 前後になる。貝殻は均一に茶褐色で堅牢。2、3本の太い螺肋があり、螺肋の間には太さの異なる間肋がある。成長脈は螺肋をまたがり希に立つ。内壁は雄では黄色がかった橙色、雌では黄土色。[根室産 10cm SL]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目エゾバイ科エゾボラ属

    外国名

    学名

    Neptunea intersculpta (Sowerby Ⅲ,1899)

    漢字・学名由来

    漢字 蝦夷法螺擬、擬蝦夷法螺 Standard Japanese name / Ezoboramodoki
    由来・語源 平瀬與一郎の命名。エゾボラに似ているため。「法螺」は巻き貝のこと。「蝦夷」は現在の北海道など北国を表す。
    記載者のGeorge Brettingham Sowerby III (ジョージ・ブレッティンガム・サワービー 1843-1921)はイギリスの博物学者でイラストレーターである。Sowerby家は三代、貝類の書籍を出している。

    地方名・市場名

    ビーツブ[Bつぶ]
    場所北海道 備考「Bつぶ」は、エゾボラを「Aつぶ」というのに対してだ。 参考荷 
    エゴバイ
    場所富山県 
    ニシバイ
    場所新潟県糸魚川市 参考松澤周一さん(新潟県糸魚川市) 

    生息域

    海水生。水深180メートル〜500メートル。
    鹿島灘以北、北海道〜ベーリング海。
    エゾボラモドキは太平洋にいるエゾボラ属と考えている。チヂミエゾボラと同種であるとされるが、形態的には日本海、太平洋沿岸で貝殻の形態が異なる。

    生態

    基本情報

    螺塔が高く貝殻に厚みの堅牢なものは北海道オホーツク海から鹿島灘に生息しており、チヂミエゾボラは日本海の深場に多いと思っている。両種は貝殻の質なども違い、水産的には別の種とされていて、ここで同種とするのは難しい。ここでは太平洋側の個体を述べる。
    主に北海道道東から入荷してくるが、つぶ(エゾボラ属)の中でも重要な存在である。生食用のエゾバイ科の巻き貝の中ではエゾボラに次いで高い。
    珍しさ度 食用貝だが、スーパーなどに並ぶほど一般的ではない。プロなども行く、市場で探すのが早そうである。

    水産基本情報

    市場での評価 エゾボラ(マツブ)に準じて値段が高い。入荷量は少なめ。
    漁法 カゴ漁
    主な産地 北海道ほか

    選び方

    原則的に生きているもの。持ち重りして、蓋などを触ってよく動く、もしくは急激に引っ込むもの。

    味わい

    旬は不明
    足(刺身にする部分)はクセがなく、ゴマ状の模様もなく刺身にして美しい。
    生で甘みがあり、食感もいい。
    ワタなどから濃厚なだしがでる。

    栄養

    危険性など

    テトラミンは主にNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれる。足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。Neptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。発症する唾液腺の量は個人差がある。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    エゾボラモドキの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(塩ゆで、煮つけ、酒蒸)、ソテー(バター焼き)

    エゾボラモドキの刺身 真つぶ(エゾボラ)同様に身色がキレイである。貝らしい風味とうま味が豊かで、こりこりした食感が楽しめてとてもうまい。
    貝殻の一部に穴を開ける。巻き貝のいちばん硬い部分というか筋を切る。こうすると足にフォークを刺すと簡単に引き出せる。唾液腺を取り、最初はただただ揉む。ある程度ぬめりが出たら塩を加えて仕上げ揉みをする。よく粗い、水分を切り、薄く切りつける。
    下処理に関しては、コラムへ。
    マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み

    エゾボラモドキのわたの煮つけ 甘味があってこくのある味わいである。微かに苦味があるが、後味が軽い。
    刺身にしたときの、足と消化管以外の部分を使う。消化器官のある部分を取り去る。わたの先の方を集めて、酒・醤油・砂糖を煮立てた中で煮汁を絡めるように煮る。
    エゾボラモドキのバター焼き バターをからめながら短時間ソテーしたもので、軟体はとても柔らかい。足の部分は甘みがあって、食感も心地よい。
    剥き身にして足の部分を半割にする。唾液腺を取り、洗って水分を切る。適当に切り、フライパンでバターと炒める。塩コショウする。
    エゾボラモドキの塩ゆで 本種のエゾボラ属(つぶ)は生食用とみなされているが、煮ても焼いてもおいしい。煮ても硬くなり過ぎず、足に豊かなうま味と甘みがある。わたがおいしい。
    まず貝殻ごと塩ゆでにする。食べられない消化管と足の唾液腺を取り、ざっと洗って水分をとり食べやすい大きさに切る。

    関連コラム(料理法・レシピ)

    記事のサムネイル写真マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み
    ツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。 唾液腺にはテトラミンが含まれる。 テトラミンは死亡例はないものの・・・ 続きを開く

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/黒住耐二(千葉県立中央博物館)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)
  • 主食材として「エゾボラモドキ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ